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AI時代こそ、WordPressによる「ストック型自社メディア」が重要になる

AIが生成した情報をWordPressの自社メディアへ整理・蓄積し、事業の知見を資産に変えるイメージ

AIによって、コンテンツを作るハードルは大きく下がりました。

文章を書く。画像を作る。専門的な内容を分かりやすく整理する。古くなったページを更新する。以前は相応の時間と人手が必要だった作業を、いまではAIと一緒に進められます。

だからこそ私は、AI時代には「自社でストック型メディアを持つこと」が、これまで以上に重要になると考えています。

作りやすくなったのなら、SNSに流して終わらせるのではなく、自社の資産として蓄積したほうがいい。日々の事業から生まれる知識、顧客から繰り返し聞かれる質問、商品の選び方や使い方、業界特有の注意点。それらを、自社サイトの中に残していく。

私たちのグループでは、法人向けの原料卸サイト、特定成分の専門情報サイト、個人向け検査キットのサイトなど、複数のサイトでWordPressとSEOを集客の土台にしてきました。

扱うものは異なりますが、共通していることがあります。

お客さまは、最初から私たちの会社名や商品名を知っているわけではありません。

原料の仕入れ先を探す。ある成分について調べる。検査値の意味を知る。自宅でできる方法を比較する。そうした検索の途中で私たちの情報を見つけ、商品やサービスを知り、購入や問い合わせを検討します。

この流れは、AI時代にもなくなりません。ただし、検索のされ方と、評価すべき指標は変わってきています。


情報クエリと商業クエリを、分けて考える

これからの自社メディア運営で重要なのは、「情報を知りたい検索」と「購入や取引を検討している検索」を、同じ物差しで評価しないことだと思います。

たとえば「フェリチンとは」と「フェリチンを測れる検査キット」では、同じ言葉を含んでいても、検索する目的が違います。

前者は、意味を知るための情報クエリ。後者は、商品を探し、比較し、購入を検討する商業クエリです。

もちろん実際の検索意図は、きれいに二つへ分かれるわけではありません。それでも、検索する人がいまどの段階にいるのかを考えることで、作るべきページと追うべき数字が見えてきます。


情報クエリは、クリック率より「AIに引用されるか」

情報クエリでは、検索結果をクリックせず、AIの回答だけで疑問が解決する場面が増えていきます。

私自身、何かを調べるときはまずAIに聞くことが増えました。そこで十分な回答が得られれば、複数のサイトを開かずに終わることもあります。

そのため、情報記事を従来どおりクリック率だけで評価すると、実際の価値を捉えにくくなります。

クリックされなくても、自社サイトがAI回答の出典として引用されていれば、情報源としての接点は持てます。会社名やブランド名が適切な文脈で紹介されれば、その後の指名検索や比較検討につながる可能性もあります。

だから情報クエリでは、SEOの表示回数やクリック数に加えて、AEO(AIの回答に自社の情報が採用・引用されているか)を見ていきたいと考えています。

ただし、「引用された=売上に貢献した」ではありません。

出典リンクが表示されただけなのか。ブランド名まで紹介されたのか。どのような説明の根拠として使われたのか。その後、指名検索や商品ページへの訪問が増えたのか。

引用数だけを追うのではなく、引用のされ方まで確認する必要があります。


商業クエリは、SEO順位より「コンバージョンにつながったか」

一方、商業クエリでは、より事業に近い成果を見るべきです。

購入や取引を検討している人の検索で、自社サイトが見つかっているか。適切な商品・サービスページへ来てもらえているか。そして、その訪問が購入や問い合わせにつながっているか。

法人向けの卸であれば、原料や仕入れ先を比較している人が、品質管理の考え方、取引条件、問い合わせ方法を確認できることが重要になります。

個人向けの商品であれば、内容、価格、利用の流れ、それで分かることと分からないことを理解したうえで、購入を判断できるページが必要になります。

商業クエリでSEOを取れていても、購入や相談につながっていなければ、集客としては未完成です。

検索順位やクリック数だけでなく、商品ページへの遷移率、購入率、問い合わせ率、売上や商談までを見る。どこで離脱しているのかを確認し、説明や導線を改善します。

評価の重点を整理すると、次のようになります。

検索の目的自社メディアの役割重視する指標
情報を知りたい疑問に答え、信頼できる情報源になる検索での表示、AI回答での引用・ブランド言及、指名検索
比較・購入・取引を検討したい判断材料を示し、次の行動を助けるSEO順位、クリック、商品ページへの遷移、購入・問い合わせ、売上・商談

情報クエリでクリックが減っても、AIでの引用や指名検索が増え、商業クエリからの購入が伸びているなら、その違いを捉える必要があります。

逆に、サイト全体のアクセス数が増えていても、購入を検討する人に届かず、売上や相談につながっていなければ改善の余地があります。

アクセス数の合計だけでは、自社メディアが事業に貢献しているかは判断できません。


購入前には、公式サイトを確認しに来る

AI時代になっても、自社サイトの重要な役割は残ります。

それは、購入前の公式な確認先になることです。

AIの回答で商品を知った人が、実際の内容を確かめに来る。SNSや口コミで興味を持った人が、価格や使い方を確認する。法人の担当者が、運営会社、品質管理、取引条件、問い合わせ先を調べる。

特に、健康に関係する商品や専門性の高い商材、法人取引では、AIの回答だけで購入や契約を決めるとは限りません。最終判断の前には、公式サイトに掲載されている情報を確認する人がいます。

そのとき、十分な説明があるか。情報に一貫性があるか。会社として信頼できるか。何をすれば購入・相談できるのかが分かるか。

AIや検索で接点を作っても、公式サイトで不安を解消できなければ、コンバージョンにはつながりません。

つまり自社サイトは、集客の入口であると同時に、購入を決めるための「信頼確認の場所」でもあります。


ストック型メディアは、事業の知見を資産に変える

ストック型メディアとは、記事を大量に作って放置することではありません。

顧客から何度も聞かれる質問を記事にする。商品を開発・販売する中で得た知識を残す。解説記事から関連商品へ内部リンクをつなぐ。法制度やサービス内容が変われば更新する。購入前に迷いやすい部分が分かれば、説明を追加する。

そうして蓄積した情報が、次のお客さまにも役立つ状態を作ることです。

SNSの投稿は、新しい人に知ってもらうために強い。一方、自社メディアは、必要な情報を整理して残し、何度でも使えます。

検索から訪れた人だけでなく、SNSで知った人、紹介された人、営業先、既存顧客、購入後に使い方を確認したい人にも活用されます。

一つひとつのコンテンツが、集客、説明、比較、営業、購入後のサポートを支える資産になっていきます。

そして、ここが見落とされやすいところですが——蓄積されるのは記事だけではありません。

どの言い方が反応されたか。どの質問が繰り返し来るか。どのページで離脱するか。こうした判断の材料が、運営している側に溜まっていきます。外注し続けると、この材料は外注先に溜まります。何年経っても自社で判断できないのは、記事がないからではなく、材料が残っていないからです。


AIで量産するのではなく、AIで継続できる体制を作る

AIで記事を作りやすくなったからといって、一般論を大量に公開すればよいとは思っていません。

誰でも作れる内容が増えたからこそ、自社が実際に経験したこと、顧客から寄せられた質問、商品を扱う中で蓄積した知識、独自のデータや専門家の見解が重要になります。

AIには、それらを整理し、分かりやすい文章にし、既存ページとのつながりを作る役割を担ってもらう。

人は、事実を確認し、自社ならではの経験を加え、公開してよい表現かを判断する。

特に、健康や食品、金融など表示に規制がある分野では、出典、法令、表現の確認が欠かせません。制作にかかる時間をAIで減らし、その分を正確性と信頼性の確認に使う。これが現実的な配分だと考えています。

重要なのは、AIによるコンテンツ量産ではなく、AIによって自社メディアを継続的に更新・改善できる体制を作ることです。


WordPressは、知見を蓄積し続けるための実用的な基盤

WordPressを使えば、自動的にSEOやAEOに強くなるわけではありません。

私自身、AIを活用したスクラッチ開発にも取り組んでいます。独自のアプリや新しい購入体験を作るなら、WordPress以外の選択肢が適している場合もあります。

それでも、記事、商品情報、事例、よくある質問を複数の担当者で更新し、長期的に蓄積する場所として、WordPressはいまも実用的です。

すでに運営しているサイトには、過去の記事、URL、内部リンク、被リンク、検索データが蓄積されています。それらを捨てずに、AIを運営へ組み込みながら改善できます。

Googleも、AIによる概要やAIモードへの掲載について、従来のSEOの基本が引き続き有効だとしています。重要な情報を文章で示し、関連ページを内部リンクでつなぎ、検索エンジンがアクセスできる状態を保つ。特別なAI専用施策より、まずはこうした土台を整えることが重要です。[出典:Google Search Central]

アプリや業務システムの内製化については、「非エンジニア組織でアプリの内製化を始めるなら、なぜ『Claude+Vercel+Supabase』なのか」でも詳しく紹介しています。


Search Consoleの数字と、実際の検索画面を両方見る

AEOの成果を正確に測ることは、まだ簡単ではありません。

まずはSearch Consoleで、対象ページや検索クエリの表示回数、クリック数、掲載順位の変化を見る。商業クエリについては、アクセス解析や購入・問い合わせデータとつなぎ、コンバージョンまで確認します。

Googleは、AIによる概要やAIモードで自社サイトへのリンクが表示された回数を確認できる、生成AIパフォーマンスレポートも提供しています。ただし、表示回数だけでは、実際にどの質問で、どんな文脈で引用されたかまでは分かりません。[出典:Google Search Consoleヘルプ]

だから、ときどきシークレットウィンドウから主要な検索語を直接検索し、実際の表示を確認することも大切だと思います。

自社サイトが引用されているか。どのページが使われているか。単なる説明の出典なのか、商品やブランドまで紹介されているのか。競合するサイトは、どのような情報を掲載しているのか。

シークレットウィンドウでも、地域、言語、端末などによる結果の違いは残ります。そのため、確認する検索語、日時、端末などを記録し、定点観測します。[参考:Google検索ヘルプ]

たとえば、顧客が検索・質問しそうなテーマを20個決め、月に一度確認する。そのうち何件で引用されたか、どのページが引用されたか、引用の文脈はどうだったかを記録する。

これは市場全体の正確な引用率ではありません。それでも、自社サイトのAEOを改善するための実用的な指標にはなります。

なお、私たちはグループの複数サイトを自社開発の計測ツール「SITUNE」でまとめて見ています。数字はトップページで毎月公開しています。うまくいっていないサイトの数字も、そのまま載せています。


AI時代だからこそ、自社に情報を蓄積する

AIによって、コンテンツを作るコストは下がりました。

一方で、どこにでもある情報は増え、ユーザーがWebサイトを訪れずに答えを得る場面も増えていきます。

だからこそ、自社が実際に持っている経験や知識を、信頼できる形で蓄積する意味があります。

情報クエリでは、AIに引用される情報源を目指す。

商業クエリでは、SEOで見つけてもらい、購入や相談までつなげる。

そして購入前に公式サイトを訪れた人へ、判断に必要な情報と信頼を提供する。

調べるときに見つかる。

AIの回答で引用される。

比較するときに役立つ。

購入や相談を決めるときに、安心して次へ進める。

AI時代こそ、そのすべてを支えるストック型の自社メディアを持つ価値は、むしろ高まっていると私は考えています。


作って終わりにしない、WordPressサイトへ

株式会社JPWでは、WordPressサイトのリニューアルと運用をセットでお受けしています。

新しくすることが目的ではありません。Webから問い合わせが来る状態をつくり、その後は社内で更新していける形にすることが目的です。記事の代筆はしません。書くのは社内、構成と計測はこちらで担当します。

自社サイトを「作って終わり」ではなく、事業の知見が蓄積されるメディアへ育てたい方は、お気軽にご相談ください。

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